2010年6月30日水曜日

脱藩日

おはようございます。こちらは美しい朝です。会社人生最後の朝です。
と、今、Twitterでつぶやいた。

それからこのブログのエントリーを読み返す。田中文脈研究所のコンテキストがインターネットの大海に出て行くのだからお化粧を整えねば。7月のブログ公開までこの作業は続くだろう。と言ってももうほとんど時間はないが。

退職することに関してはまったく不安はない。あたりまえだ。このエントリーからブログを読み始めた皆さんはお手数ですが、5月14日まで遡ってください。そこから読んでいただいて、現時点で僕が「会社をやめるのが不安だ」などと言えるはずがない。言う気もない。

ただしブログを公開することに一抹の不安はある。自分のブログを生まれて初めて公開するのですよ。
今まで他人様のブログは山ほど見てきた。ネットの海で炎上する事例も知っている。消火作業の困難さも分かっている。

それがどうした、である。僕は会社を背負ってこのブログを公開するのではない。ひとりの社会人として自分の発言を公開できる場を持つのだ。

いまさらであるが、本当にD社にはお世話になった。おお、これからは「D社さん」と敬称をつけねば。
結婚できたのも、OKをいただいた仮編集ができたのもD社さんのおかげだ。

D社さんの悪口をあからさまに言うことは、今後も僕の無意識がブロックしていくことだろう。そんなことはありえない。

今まではD社人の規範に基づいて発言していた。そうすればD社人としてのバリアーの中で守られていた。これからはちがう。すべては自己責任だ。

天に向かって唾を吐けば自分に返ってくるのがネットの世界だ。
逆に言えば自己責任に基づき、自分に恥ずかしくない発言をすれば性善説は循環していくはずだ。

と僕は信じている。そう信じて、そろそろ会社に行く準備を始めよう。

(長い間)

会社の最終日はふわふわと浮いているような感覚だった。感傷に浸る間もなくあっという間に時間は過ぎていく。

先日の大送別会で目録をいただいたiPhone4の手続きも済ませた。久しぶりに手にしたアップルマークが嬉しい。予約に並んでくれた方に感謝します。

退職日には会社を一周して挨拶をするものらしい。では僕も、と思っていたのだが、結果的には中途半端なことになった。

会社メールを使って退職挨拶メールをBCCで送信するのに予想以上の時間を取られたからだ。
ありがたいことに一斉に返信をいただく。会社メールが使える時間は限られている。とにかくGmailに転送するしかない。

ようやくピンポイントで挨拶に行く。ふわふわした感覚が続いているので、階の認識を間違えて笑われる。元々、方向音痴なのですみません。

さらに曜日の認識もおかしくなる。明日は土曜日だろ、というおかしな発言をしてまた笑われる。自分的には明日は休日なのだが、世の中はちがう。あたりまえだ。

新しい健康保険証を受け取っていないと勘違いをして、大丈夫かいな、と笑われる。
大丈夫です。旅立ちの準備は万端です。そのはずです。

そして退社時間が近づいてくる。自分的にはクールに風のように去りたかった。だがしかし、やはり泣けてきた。

最後のフラッパーゲートを出る。そこに長い間いっしょに苦労してきたHさんが、たまたまいた。

「脱藩なう、脱藩なう」とうわごとのようにつぶやきながら、IDカードを返す。Hさんとハグする。泣けてくる。

僕の会社人生は終わった。

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