2010年6月12日土曜日

脱藩まで18日(サプライズ)

送別会が続いている。昨晩は現在所属している部屋の送別会だった。
つまり36年勤続したD社における最後のポジションでの送別会だ。

会場は会社のそばの中華料理店だ。実はこれも感慨深いものがあった。この店は36年前からある。
新入社員の頃はよくこの店で宴会をやっていたような気がする。もちろんその頃は下働き(?!)だったので初々しく幹事をしていた。

昨晩は主役らしい。本当は室会なのだが、ありがたいことに「文夫さんありがとう、みたいな」と看板が出ている。

途中までは普通の宴会だった。どこかのタイミングで退職挨拶をすればいいのだ、と思っていた。

ところが、普通に挨拶をする代わりに、36年前には影も形もなかった若い娘が僕にインタビューを始めた。僕の過去の振る舞いおよび仕事について訊いてくる。

ここのところ、過去を振り返ることが多いのでこのテーマはいくらでもしゃべれる。

そしてお約束の「これからどうするのですか」だ。

何度も書いているように、このテーマに関しても、単純化して分かりやすくしゃべることができる。
もちろん飲んでいるので調子よくしゃべる。

そういえば「僕のやりたいこと」、次のミッションをまとめたエントリーをまだ書いていない。もう少しお待ちください。

それはともかく。
インタビューは続く。僕がキレイにまとめようとすると昔の仕事仲間が激しい突っ込みをしてくる。
それをかろうじてかわしながら、進行していく。

「奥さんは文夫さんがやめることをどう思っているのですか」娘が訊く。この質問にも何度か答えたことがあるので簡単だ。

妻は僕がやめると言い出した頃からこう言っていた。

ほんまにやめるんやろね。やめんかったら承知せえへんで。
あんたが会社やめたら私も気楽になる。好きなことができる。
会社行っている間は我慢していたけど、会社やめたらあんたと私は対等だからね。

ということをためらわずに答えた。

そこで娘が言った。
「それでは、その奥さんがここにいらっしゃるとしたらどうしますか?」

えっ、あれっ、おや?!

扉が開いて妻が花束を持って会場に入ってくる。なんと次男までいっしょだ。

びっくりしましたね。あーよかった。妻の悪口を言わなくて。
今まで、他人のパーティや宴会の企画でサプライズを仕掛けたことはある。
でも、まさか、自分の送別会で、みたいな。

そこからの展開はよく覚えていない、ということにしておこう。

あとで妻に訊くと、妻も長男も次男も2週間前から知っていたとのこと。
幹事のひとりが「文夫さんはご家族を大切にしているそうですから」と妻を説得してくれたそうだ。

ありがとうございます。何よりのプレゼントでした。

これで退職後の家庭円満は生涯保証された、かどうかは分からないが、次の生活に大きなドライブがかかったのは間違いない。

円満生涯保証されるかどうかは今後の僕の生活態度次第だ、と妻が釘を刺しそうだ。

いただいた花が家の玄関を飾っている間は、大丈夫だと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿