2010年6月22日火曜日

脱藩まで8日(卒業映像)

いよいよ本当のカウントダウンだ。
それにしては忙しい。それだからこそ忙しいのか。
会社をやめるのが、こんなに大変だとは知らなかった。

まあ最初で最後の不慣れな経験ですからね。

会社のデスク周りはまだほとんど手つかずだ。
ほんとに退職する気ですか、と言われている。

今、すべてをほったらかして集中しているのは卒業記念映像の制作作業だ。
D社関連制作スタッフのご好意に甘えることにした。

36年間、広告制作に関わる仕事をしているとそれなりに表現物が貯まっている。またD社の若い人たちが、僕は何者なのかを知りたいと言う。

今週の金曜日には大型の送別会がある。
その参加者はほとんどがこの10年以内に深くおつきあいをさせていただいた皆さんだ。
それより前の僕を知らない。

その会場で上映するための映像だ。

僕の仕事と家族の歴史を語る映像を編集するためには、僕が脚本を書いて僕が素材を整理しなければならない。
あたりまえの話だが。

しかもタイムリミットがある。プレゼンテーションまであと3日だ。
スタッフと編集室はボランティアなので、こちらも時間は限られている。

これは想像以上にエネルギーがいる仕事になっている。36年の会社生活ですよ。人生で言うなら58年ですよ。

映像も写真もデータも散乱している。自慢じゃないが、僕は片付けが苦手だ。いろいろなものを貯めこんだままにしている。

衰え始めた自分の海馬にむち打つ。あの写真はどこかにあったはずだ。紙かデータか。家とデスク周りを探し回っている。捜し物をした後を片付ける時間がない。散らかったままでますます何がどこにあるか分からなくなる。

それでもこの作業は楽しい。まさか会社人生の最後にまた編集ごっこができるとは思わなかった。
この申し入れをしてくれたYさんには本当に感謝している。

彼は僕の戦友ともいうべき人物だ。いっしょに編集していると涙目になりそうになる。

でも感傷に浸っている時間はない。冷徹に実務的にものごとを進めないと間に合わない。僕の感傷を打ち消して、客観的な目で判断をしてくれるYさんにしたがっていくだけだ。

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