2011年10月25日火曜日

村楽と町楽「口より土だ」


この列島の歴史的転換点となった2011年も一気に年末になだれ込もうとしている。
311の直前に設立サミットを開催した村楽LLPも、今年の総決算に向けて動いている。

村楽のコンテキスターとしては、この時期にあらためて、「村楽」と「町楽」の文脈を整理しておきたい。来年から「村楽」は一気にブレイクしていく予感もするので。

村楽LLPとは、全国地域おこし協力隊連合である。
各地で活躍する地域おこし協力隊の経験値と知見、問題と解決を共有するネットワークだ。
そのコンセプトは以下に集約される。

みんなでMERRYな村づくり!
全国の地域おこし協力隊を中心にした生業(百商&百匠)づくりで、
村から私たちの未来に繋がる「百笑」をつくりだそう!
村楽LLPは地宝の可能性と未来を信じて現場で活動する同志を、
志縁サポートする有限責任事業組合です。

この組織はまさにオープンでフラットだ。
一点に集中する場所を持たないインターネットの申し子ともいえる。
今のところ代表と有志による役割分担が決められているだけで、リアルな事務所などは存在しない。

それでも「村楽」は燎原の火のごとく、全国にネットワークを拡大している。
このうねりが生じたのは、この組織が徹底した現場至上主義だからである。

上から指令が出て、末端の組織構成員が駒として動く、というような組織とは対極にあるのが村楽LLPである。

都市から地域に住民票を移して活動する地域おこし協力隊は、それぞれの現場でそれぞれのスタンスで活動を続けている。
そして、それぞれの問題がある。その問題は各現場にしか解決方法はない。
ただし悩みごとを村楽LLPにぶつけることによって解決の糸口を見つけることはできる。
facebook上で情報と本音のやりとりを行い、リアルな場で顔を合わせて真摯に話合う。
リアルとバーチャルのスパイラルが善循環しているのが、「村楽」の現状だ。

次のステップはヨコに繋がった現場の声をタテ割の行政に届けていくことだろう。

圧力団体ではなく、現場力を最大化する「発力団体」として。

現場の繋がりの根底には各地の土がある。
地域おこしのやりかたは様々なようだが、百商の生業は土に近いところで成り立っているのは間違いない。口で能書きだけをたれても繋がりは深化しない。

村楽の情報ネットワークでは、稲刈りの季節には、各地で刈った稲を天日干しする様子が伝わってくる。それぞれの土と風の薫りが伝わってくる。風土というのは、こういうことだったのだ。





一方、「町楽」のコンセプトは以下である。

太陽の光は町にも村にも平等に降り注ぎます。
メリーな志があれば、ビルの屋上でも 町を楽しむメリーファーミングは可能です。
町という漢字の中には「田」というパーツがありました。
町楽は、都会にも「村的楽しみ」を 提供します。
村楽と連帯した 土と町人(まちびと)のメリーな志が集まった空間が「町楽」です。

「村楽」は地方と地方の繋がりをつくるLLPという組織だ。
「町楽」は都市と地方の繋がりの基盤となる空間だ。

村から町に人が集まり、大量生産、大量消費を礼賛した時代は 確実に終わった。
かつての人の流れは逆転した。今や町が村にラブコールを送り、町は地域おこしを志す若者の供給源になっている。

村人と町人の関係が逆転しようとしている時代に、都市で生業を続けるのは大変なことだ。
そこに「町楽」という志が集まる空間が増えて、「村楽」とのコラボレーションが強化されていけば、「日本メリーランド計画」は一歩ずつ前進していくはずだ。



そして「町楽」においても重要なポイントはまずは土に触れることである。
現在、「町楽」のベースは六本木のMERRY GARDEN 屋上農園だ。
先日、ここで「村楽&町楽」収穫祭を実施したときも、参加メンバーがまずは土に触れることで空間の雰囲気ががらりと変わった。
土を通じて志が手から手に伝わっていく感覚を持ったのは僕だけだろうか。

町では口先だけで生きていくことも場合によっては可能である。
だが、町楽でも、まずは土に触れてほしい。

混迷を深めるこの列島には論客が輩出している。
その中にあって、駆け出しコンテキスターの僕は、村楽と町楽の文脈を繋ぐ上で確信していることがある。

口より土だ。

2 件のコメント:

  1. 本領発揮ですな。非常にわかりやすいです。

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  2. ありがとうございます。いつもボブと話しているうちにコンテキストが整理されていくのであります。

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